働くひとのための心理学のブログ

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確証バイアス −「不合格」の理由を気にする必要はない。

新卒の採用活動は、大手企業だとプレエントリーで数万人、筆記試験を受けるのが数千人という規模になるので、それで内定が十数人とかだと、当然もの凄い数の学生さんを不合格にしないといけないのです。その選考はどういうプロセスで行っているのか、という話。

入社して頂ける人数(採用予定数)もさることながら、面接できる人数すらも限られていますので、ひとつ前のプロセス(筆記試験や[N-1]次面接)の結果で順位付けをして上位の方から案内する他ないのですが、マークシート方式の学力試験とかでない限りは客観的な優劣を示す点数などは付けようがなく、どうしても主観的な評価にならざるを得ません。

ここで「主観的な評価」とは、例えば面接での発言をその会社なり面接官なりの評価の観点にもとづいて判定し、好ましければ高い評価(ABCの三段階であればAとか)、そうでなければ平凡な評価(BとかCとか)とするようなことです。何をもって好ましいと評価するかいうと、面接での発言から推し量れる人となりをビジネスの場に仮想的に置いてみて、ポジティブな期待がより多く持てそうで、ネガティブな影響があまりなさそうだ、といった想像を手がかりとします。

確証バイアスがあなたの評価を歪める

面接官が陥りがちな傾向のひとつに「確証バイアス」があります。

「確証バイアス(Confirmation bias)」

他者に対して自身の先入観に基いて観察することで、自らの都合のいい情報だけを他者の観察から拾い集め「やっぱりそうだ」と先入観を強めること。

例えば、エントリーシートの内容やその学生の第一印象から「この学生はきっとこういう人柄だ」と決めつけ、それを確認するような質疑のみを行うような態度をとります。何しろ日程が限られているのでそうでもしなければ予定通りに進んでいかないのです。先入観がネガティブだった場合、この確証バイアスをはねのけて評価をポジティブに戻すのは殆ど困難です。

不合格といってもそんな程度の評価なので、気にせずどんどん違う会社に目を向けたほうが良いとつくづく思うのです。